ご挨拶
会長 吉田 博
東京慈恵会医科大学附属柏病院 病院長
東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座 教授

第73回日本臨床検査医学会学術集会(JSLM73)の会長を拝命しました、東京慈恵会医科大学附属柏病院の吉田博でございます。2026年12月17日(木)~20日(日)の4日間、千葉県の幕張メッセ国際会議場で開催いたします。歴史と伝統を有する本学術集会を担当させていただき光栄に存じます。
私たちは、日々進化する医療技術とともに、医療の質の維持・向上のために臨床検査の役割がますます重要になっていることを実感しています。そのなかで、相次ぐ異常気象がわが国でも頻繁にみられますが、「地球と人の健康を同時に守る」プラネタリーヘルスが注目され、環境・健康データの統合による予防医療の高度化なども含む日本型プラネタリーヘルス戦略の道筋が検討されています。医療・健康の課題の多くは臨床検査のデータに基づいていることは如何なる医療環境に変遷しても不変であり、臨床検査医学は重要な鍵を握っています。こうした臨床検査データを人々の健康のために十分に利活用するには、AI/DXの推進が求められています。また、国際社会の持続可能な開発目標(SDGs)のなかには「すべての人に健康と福祉を」があります。こうした課題や目標を持続的に解決・達成するために臨床検査は基盤を担っていて、それには新しい検査の開発と承認の仕組みの発展、そして臨床検査を担う医師や検査技師の連綿と続く育成が重要です。このような視座から、JSLM73のテーマは、「プラネタリーヘルスヘと進む新時代の医療~プラットフォームを担う臨床検査医学~」としています。
本学会では、最新の研究成果や技術革新を共有し、臨床検査の未来を見据えた議論を行う場としたいと考え、プログラムといたしましては、一般口演、ポスター発表に加え、特別講演、教育講演、シンポジウム、委員会企画、関連学会共同シンポジウム、各種セミナー、RCPC, ICD講演会、企業展示など、様々な企画準備を進めるなかで、これまでに皆様のご協力により多数の演題の登録、魅力的な企画のご提案やご協賛をいただいておりますこと、心より感謝申し上げます。JSLM73では、私のUCSD留学時代の知人であるウイーン医科大学臨床検査医学のChristoph Binder教授が来日され、特別講演をいただく予定になっております。またプラネタリーヘルスの視座からの課題について橋爪真弘教授(長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科、東京大学大学院国際保健政策学)から、今年ラスカー賞を受賞されました柳沢正史教授(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)から睡眠研究について特別講演を賜ります。
本学会は、臨床検査に関わる医師および臨床検査技師の会員が多く在籍されていることが大きな特色であり、JSLM73では異なる専門分野の皆様が一堂に会し、皆様に魅力的な演題をご発表いただくことで、職種間の活発な交流により新たな発見やアイデアが生まれることを期待しております。とくに、日常の臨床検査の現場は、学問・研究の題材の宝庫であり、そうした宝物について皆で実り多い議論を楽しく活発に行うのが学術集会の大いなるメリットです。12月18日(金)の学術プログラムの後には懇親会が予定されていて、慈恵医大のゴスペルチームが加わって12月のクリスマスシーズンにマッチしたひとときをご用意する予定です。
会場が位置する幕張は、ディズニーランドや幕張海浜公園が近くにあるなど、学術集会以外のアクティビティーも多く楽しめます。また今回は12月下旬の開催となりましたことから、前年の第72回が幕張夏の陣とすれば今年の第73回が冬の陣となり、臨床検査医学の発展に向けて共に語り合う場としてJSLM73がお役に立てますよう努めてまいりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

